テーマ:竹戸 初

日誌34「今日も恙無く」/竹戸 初

 どん、と堅い物体にぶつかった様な衝撃で竹戸 初は覚醒した。 「……ぁぁ~っ。ふんふむふむ」  まどろんでいる半覚半醒の欠伸じみた声が、現状を理解した者の頷きに変わる。  もっとも、この場に彼を除いて、同意を得るべき者は不在なのだが。  先程の衝撃は、船端に波頭が衝突したものだ。 「たけきの川の河口沖ぐらい…
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日誌30「従軍日誌 ~抜粋~」/竹戸 初

 ギリっと軋む鎖の音に、昏倒していた竹戸 初は覚醒する。但し意識こそ回復したものの、思考能力までは追いついていない。 (ここは何処だ?)  幾つかの情景が、断片的に脳裏に瞬く。  白夜のダークサマーレムーリア。平原一面を埋め尽くした軍勢と軍馬の醸しだす、皮革と汗の臭い。各藩国や騎士団の旌旗。成功した奇襲。驚愕した敵兵の…
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日誌 19「怪談の真相」/竹戸 初

(何故、こんな事に?)  たけきの藩国、城内の政庁。暑さの厳しい折ながら、雨戸も障子・襖も全て開け放っている事と屋根が高い構造から通風が優れているので、空調なしでも涼しく勤務の出来る書院の中。  休憩時間で雑談に花を咲かせている輪と離れた場所で、竹戸 初は自問自答していた。 「夜の廊下を、音も無くスゥーっと人影が移動したん…
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日誌12 急性胃炎/竹戸 初

たけきの藩国の政庁、たけきの城内の一室。  深夜まで及んだ御茶会を終えて自室に戻るや、素早く竹戸 初は強力な胃薬・ワカモトの薬箱に手を伸ばした。 「お、おのれ…」  口には出さず、とある人物への呪詛を溢しながら湯呑みの白湯で苦々しげに薬を飲み干すと、空になった紙の薬箱をグジャリと握り潰し、足許に叩きつける。  ま…
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日誌11 「たけきの藩国殺人(未遂)事件」/竹戸 初

消えたヤガミ(の靴下)。  撲殺(9/10)された摂政。  血塗れの釘バットと、残されたダイイング・メッセージ「み」の字の謎。  ……薄墨紙の上に記した思いつきを前に、竹戸 初は悩んでいた。脳裏に浮かび上がる空想、それを彩る局面としての文言は存在するのだが、全体として小説にまとめあげる事ができないからだ。  喩え…
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