たけきの藩国日誌 - R2

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zoom RSS 日誌20 「近況報告」/慈詠

<<   作成日時 : 2008/07/24 23:24   >>

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慈詠は倒れていた。

本当に倒れていた。しかもうつ伏せで、顔だけは横を向いて。
高熱にうなされながら、負傷した右腕の痛みで意識を保ちながら思い返していた。

初陣から戻り、たけきの藩国で過ごしたのは、たったの10日。
すぐに宰相府藩国にとんぼ返りをして、会社設立準備を始めた。
何を間違ったか、社長になりそうな雰囲気だ。
空から光の柱が降って、空港や政庁が壊滅し、帰られなかったのも事実だ。
復旧が進んでもターンが変わっても、帰らなかったのはやる事が多すぎたからだった。
会社の代表として走り回り、書類を作り、宰相さまや他国の王さま、秘書官がたとも連絡を取ったり、決定や、許可の判を押したりしていた。

そして、分かった事がいくつかあった。

自分は良い指揮官には、なれそうもなれない事。
とにかく、仕事の段取りや割り振りなどが下手だった。

そして悪い指揮官には、なれそうな事も。
言葉や態度で、人を乗せるのは上手くいっている。

初心者騎士団に入団した頃、帝國では指揮官不足が一つの問題としてあった。
現在は、帝國軍をはじめとして指揮官や戦力が揃い始めている様に見える。
指揮を執る事は無いと思いたいが、もしも、その時が来たらと思うと怖い。

吐き気と止まらない鼻水、痛み、熱で混乱する頭で、いつか聞いた様な言葉をまた思い出した。

「私はね、……はね、大丈夫なんだ。人を信じられる。
 空を見上げれば青空が見えるように、顔をあげるとあなたがいるのよ、ね。
 だから信じる事は出来るのよ。その輝きは豪華絢爛なの。
 戦う前には思い出して。私と同じ名前の存在を。」

慈詠は何かに取りつかれた様に、動き始めた。自分の戦場へ。
グラグラと揺れる頭で、痛む腕を抱えて。

まだ、立ち上がる途中であった。

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